『五等分の花嫁』 by 春場ねぎ
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読んだ/観た日:2020/08/11
★小説/絵本/映画/マンガ/ドラマ/アニメ総合:3.9
ストーリー:3.8
エンディング:3.8
登場人物/演技:4.5
絵/文章/映像/音楽:4.0
世界観/独創性:3.5
おしゃれさ/エンタメ性:3.0
深さ/哲学性:3.0
他の人におすすめ:4.0
あらすじ/概要
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。高校生活最後のイベント「学園祭」が閉幕。それぞれの、恋の行方は――!? 風太郎と五つ子たちの楽しくて賑やかな日常も、遂に最終巻!!
感想/考察
ネカフェで一気読みした。結論から言うと消化不良を起こしてはいるが、めっちゃ好きな作品。
以下完全なネタバレを含むので注意
いやー…なんといっていいのか。正直にいうと、四葉エンドはグッと来なかった。その原因はおそらく、ミスリードを優先しすぎたせいなんじゃないかと思う。四葉エンドがぐっと来なかった理由は、四葉✕風太郎のエピソードがあまりに弱いから。風太郎の感情が四葉に動いてる感じが微塵もしなかったのに、四葉エンドが来たのはちょっと唐突すぎた。この作品はおそらく恋愛+推理がテーマだったと思うのだけど、たぶん推理を優先しすぎて、気持ちが追いつけていない感じがした。たぶん今までの恋愛マンガとは違うエンドを望んだのだろうけれど、ロジック的な伏線ではある程度納得できたとしても、感情的な伏線としては納得できない、というのが正直なところ。もう少し感情的な伏線も張っていてほしかったとは思う。
五月エンドにしなかったのは良かったんじゃないかと思う。どうせ王道で終わるんでしょ?という匂わせの展開から終始緊張感のある展開を牽引した。ただ最後はもうちょっとなんていうか…なんだろうな、むずいけど、やっぱ好きだったかもくらいの感じは欲しかったかも?対風太郎の感情に関してはちょっともうちょっとなんかあった気がする。ちょっとミスリードを優先するあまり一貫性のない感情だった気がする。
一花好きだったなあ…いちご100%でいうところの西野で、いちごでは西野エンドだったので、たぶんこの作品ではなさそうだなとは思った(既存作品のエンドを踏襲したくない感を感じた)。でも一花エンドでも全然よかった。僕の個人的なタイプ。笑
二乃もよかった。二乃エンドでもぐっときた気がするなあ。当て馬感は強かったけど、それだけに意外性を求めるこの作品のエンドとしては優れていたようにも感じる。やっぱり結局ツンデレが最強なんじゃないか(まあ最後はデレてしかなかったが)。
でも僕のオシはやっぱり三玖エンド。いやー三玖でしょ。いちごでいうと東城かな。やっぱりあの一途な恋を実らせてほしかった。最初に恋心を(読者にわかる形で)自覚したのも三玖だし(だよね?)、最後泣いてるの見て一番悲しかったのは三玖だった(それはそれで成功だろうけど笑)。一花、二乃、三玖のどのエンドでも俺はよかったけど、強いて言うなら一花は闇落ちして風太郎自身へのアプローチよりもほかを邪魔する方に行ってしまったというか、ちょっと恋愛に頭使いすぎてた感があったし、二乃はもともとは好きになったのキンタローだし、対して三玖はやっぱ最初からずっと風太郎見てたし、常に風太郎にいってた感あったし、エピソードもいちいち可愛かったし、三玖エンドだったら泣いてたかもなー
四葉エンドは、ミスリード上いろいろと描写できなかったことは確かによく分かる。ただ、あくまでこの作品は推理マンガではなく、恋愛マンガに推理要素を持ってきているということを忘れないでほしかった…もうちょっと四葉エピソードを序盤から仕込むなり、ずっと好きだった感じをもっと出すなり、感情的伏線を引いてほしかった。たぶん、鐘のとこの最初のキスみたいな、誰かわからんけどめっちゃ好きみたいなイベントをもっと散りばめた方が良かったんかもな…んで、四葉エンド確定の時に、あれもこれもそれも四葉だったのか!ってなって、しかも見えているとこともつながったりするともっと納得感があったのだと思う。そう、感情的な納得感がないのです…だって、え、なんで四葉なん?って思ったもんね…好きになるイベントあったっけ…?っていう。結局告白もしてないよね確か?まあむずいのはわかるけどね…めちゃめちゃ好きな作品だっただけに、推理>恋愛になってしまったのはちょっと残念だった。
てか実の父親必要だった?笑あのマンガにクソ野郎は必要ない気がするのだが…
たぶんいちごの方が僕の中で評価が高いのだけれど、その理由の一つは、最初からエンドを決めていたかどうかだと思う。しらんけどいちごはたぶんエンド決めてなかったんじゃないかな?まあ西野か東城ってのは決めてたんだろうけど、そのどちらかにするかは、物語の進行に任せたのではないかと思う。それに対して、五等分の花嫁ではおそらく四葉エンドは決まっていた。そして推理という要素が邪魔をして、自然な四葉エンドを演出できなかった。そのためになんとなく不自然さが残る形となってしまったと思う。ある程度プロットは決めたところで、途中の詳細まで決まっているわけではないし、ましてや恋愛なんていう繊細なものを扱っている以上、最後のエンドを描く時のパラメータは、最初にエンドを決めたときとはかなり変わってしまっていたはず。まあそこで作者も悩んだのかもしれないけれど、最後は当初の予定通りの結末としたんだと思う。
すごい人気がでて推理ブログみたいなのもできてただろうし、その影響も結構あるだろうな…推理ブログでここまで推理されてるなら、四葉エンド感をちょっと出しすぎてるんだな…とか思っただろうし、読者の平均エンド想定が推理ブログ寄りになってしまった可能性はある。あとは推理エンドと恋愛エンドを一致させなきゃっていうのもあったのかもなあ…僕個人としてはそこはそんなに重視してなかったのだけど…。
でもあれやな、二回目読んだら印象変わるのかもしれない?時間おいて二回目読んでみようかな。
最後四葉を選んでからのまだ付き合ってないごたごたもなんかよくわかんなかったし、正直いうとやっぱりいろいろと描写不足、プロットの未熟な部分はある気はする(お前誰やねん。笑)。ただ、やっぱり一人ひとりのキャラがすごい可愛くて、魅力的で、最後のエンドの演出(一人ひとり当てていく、そして四葉がリボンをとる)は良かったし、すごい好きな作品であることに変わりはない。
三玖ロスだわ…
とか生意気なことゆーとったが、二周目読んだら四葉エンドっすわ…。四葉さんぐっと来たわ。四葉さんっすわ。
一周目のときはまじでナレーターキャラやと思ってたからいろいろ細かい描写を無視してしまってた…二周目読んだら最初からずっと好きやのに諸々の事情で身を引いてしまってる一番かわいい子やん。作者の術中にまんまとハマってるやん。
これは二周して欲しい作品。二度美味しい。
いやまじ正直みんな推せる。みんなかわいい。